千四百年以上も前、日本に仏教を伝えた聖徳太子は四天王寺、法隆寺を建立しました。これら世界遺産にもなった寺院建築建立の礎を築いた聖徳太子は、建築の工法を日本に広めた人物です。このような背景から、大工や木工職人の間では建築・木工の守護神として聖徳太子が祀られるようになりました。それが太子講であり、その他にも地鎮祭、上棟式、落慶式等の建築儀式の意義や心得、執り行う内容や進行の仕方を伝承してまいります。
宮大工古式伝統保存会 会長 田子和則
建築儀式講座
日本には、昔から伝承されている建築に関わる様々な儀式があります。ここ二十年程前から、これら日本の伝統的な建築工事の祭式が、徐々に消えていきつつあるのではと危惧しております。そこで、これら建築儀式につきまして、何回かに分けてご紹介させて頂きたいと存じます。